凍てつく北京のお正月
こんにちは、青井です。東京もここ数日ものすごく寒いですね。今日の昼はすこし陽射しですこし和らぎましたが。。しかし北京も寒かった・・。もちろん夜は氷点下10度くらい、日中でも0度くらいでしょうか。寒いというより冷たかったです。今回北京に留学、それも地元の中学に友人宅にホームステイしながら通う息子に会いにいったのですが旧正月(今年は1月23日~)がお正月本番の中国では1月1日はそれほどお正月ムードではありません。どちらかというとまだクリスマスムード。といってもクリスマスそれほど盛り上がってるわけでもなさそう、ということで単なる3連休という雰囲気でした。しかし北京の定宿の新天地中心のリッツカールトンではこんなお茶目な鏡餅のケーキを用意してくれていました(笑)
おもてなしの心は同じ
日本にも大学院時代留学していたため日本語も堪能な友人の孫さんは大陸的鷹揚さと暖かさをもった素晴らしい人。官僚の息子ながら学生時代は日本で言う族のリーダーだった(?)という彼は中国の不動産で成功した後なぜかその財産をもって学者などもやとって金鉱脈を中国のどこかに掘りにゆき全財産をなくしてまたITビジネスの小さい会社をわずか10年足らずのあいだに2500人もの会社にして今年上場しようかという勢い。本当に寝る間もないほど忙しいだろうに、情に厚くてまるで「三国志」の登場人物、関羽のよう。。勢いのある中国の象徴的人物でもあります。
自宅で中国茶をまずいただきましたが、写真手前がまだそれほど古くない急須に奥に見える濃いこげ茶のものが使い込まれた急須だそうです。お猪口くらいのとても小さい茶碗に小さめの急須、それをお湯を上からじゃあじゃあとこぼせるようになった陶器製のお湯のはけ口の小さい穴がいくつも開いたお盆台の上におかれています。急須があめ色になるまで毎日毎日お茶を上からかけるそうです。手前急須は台湾一の名工の作とか。持ち手の掘りものが美しいですね。
天然に自生する珍しい岩茶
中国でも日本の茶道・煎茶道のように大事なお客様にはいいお茶、特別の急須、茶器でおもてなしする風習があるということで男性も接待のお酒のかわりにこういったお茶の席を設けることもあるということでした。急須にぎっしりと茶葉をいれ、煮立ったお湯を茶器や茶碗の上から大胆にかけ十分に茶器を暖め、1回目の湯は捨て2回目の湯もあまり茶葉を蒸らすことなくさっとそれぞれの器にお盆にこぼれるのも気にすることなく注ぎいれ、熱いので大型ピンセットのようなもので各々の茶たくに茶碗をくばります。これはとても珍しいという自生する茶の樹からとれた「岩茶」。深み強さがあるとても美味しいお茶でした。お茶を保管するためのワインクーラーならぬお茶クーラーをもっていて保管しているとか。昔よりこういった風習をやる時間もなくなりだんだんこういった習慣もなくなってきているのはとってももったいないと思うとおっしゃっていたのはどこも同じか。
手作り餃子200個!
日本にいるときは学費を稼ぐために夜は餃子屋さんをしていたという孫さんの餃子は皮から手作りの絶品!
お兄さんと奥さん子供達までみんなで時々こうして皮からつくっては食するそうですが、なんと作る数はというとだいたい200個!一人20~30個は食べられる、というのを初めはしんじられませんでしたが、はい、たべられました、ぺろりと。
包丁もなんだか本格的~。
手際よく真ん中を厚めにのばしていくのが美味しさのコツだという皮伸ばし。
具は豚肉、にら、白菜というのは日本とにていますね。ただ包み方がちがいます。日本のようにプリーツにして折るのではなく両手を三角にして1~2回ぎゅっと握る感じ。ぷくんとお腹が膨らんだ金魚のような感じでこのほうが早いし具がいっぱいはいって美味しいんだそう。簡単そうにみえたので何回か挑戦してみたのですがまったくだめ。具がまわりから飛び出してきてしまいます。出来の悪い餃子は「餃子スープ組み」にまわされてしまいます。
水餃子が主流。
焼き餃子ではなくあちらでは水餃子が主流だそう。ヘルシーだし確かにこのほうがたくさん食べられるかも。日本にはいってきたときはどうして焼き餃子主流になったんでしょうね。円テーブルどど~んと200個の餃子が次から次へとゆでられて運ばれてきます。10人ぐらいでわいわいがやが・・。大家族のよさがまだまだのこっているんですね。ちなみに孫さんの奥さんも日本の音大に留学していたので日本語も上手。そして彼女が台湾人のため1人子政策は除外されていて中学1~高校1年までの男の子3兄弟。そこにうちの子供も加わり4人男兄弟状態でまるで犬のようにじゃれあったりして暮らしている。育ち盛りおとこの子4人もいれば餃子200個なんていうのもあっという間に胃袋に消え果るというわけか。。す、すごい。。
立ち並ぶ高層マンション
中国経済がスローダウンか?などといわれているが実感としては北京にいると物凄い勢いを感じる。ここは彼らが住むいわゆる「中国の高級マンション」。1棟どれくらい家がはいっているのだろう、10年くらいで7棟ぐらいに増えていって直近でできたものには各戸に温泉もひいてあるらしいい。1戸150平米くらいで3000万円~5000万円程度か。敷地内には誰もつかっていない(冬だからか。。)テニスコートに会員制のスポーツクラブ、ショッピングスペースもあり空港からも地下鉄で1駅と立地もいい。本当になんというか私達の親の世代、もしくは自分の子供時代の日本をみているようなそんな懐かしいような不思議な感覚に陥ります。家の中の内装もクラシックな西洋風インテリアと中国の伝統が混在していて、子供のころの日本の応接間みたいな雰囲気だったり、子供達は日本よりはるかに子供らしく家族団らんがあり強い父親と働き者の優しいお母さん、経済成長真っ只中・・・みんなが手に入れたい豊かな生活を目指してがんばってる。ごしごし・・ここはどこ?高度経済成長中だった日本の姿と重なる。
サイズ感はまったく違う!
しかし日本とはまったく違う!と思うのは相変わらずのそのサイズ感。何度も言うようにやっぱり誰がなんと言おうとアメリカ人と中国人はとっても似ているとおもうのですが、一つは国土の広さですよね。。日本のように小さいスペースを完璧に仕上げるという意識がまったくないから。。まずはどど~んと大きく作っちゃえ。みたいな感じでして。これは北京オリンピックのときに有名になった30mX250mの巨大スクリーンの天井がある商業施設の一角。ラスベガスにもあるらしいですね。。こういったスクリーン。中国では「2番目」に大きい天井のLEDスクリーンらしい。。鯨がおよいじゃったりすごいことになっちゃっています。なんでこんなの作ろうと思うんでしょうね(笑)そしてここにあるのがカラオケ屋さん。レストランでカラオケ屋さんでも大きくないとはやらないとか。
なぜカラオケ屋さんがビュフェ?
カラオケ屋さんもここのはめちゃくちゃ大きいです。息子のリアルな日常をみたいということで日本でも行かないようなカラオケに2日から繰り出したわけですが、いきなりビュッフェ・・。それもものすごいいろいろ種類がある。それも結構美味しい。
中国のラップからAKB48、マイケルジャクソンまで
実はこの中国の子供達は英語も日本語もできず中国語だけしか話さないのだけれど日本のマンガや文化には詳しい。。「ワンピース」や「ナルト」「コナン」はもはや世界共通語。そして子供達同士はまったく遠慮がないので中国語のシャワーを浴び息子もまるで中国人以上に中国人なみかけになっちゃってる。。初めはちょっとショック。だってジャージで角刈り小太りで空港に現れたこの中国の子供は誰?前日に学校の先生に連れて行かれた床屋で日本円でいうところの70円で散髪したという。。。Oh、No!もともとおしゃれにもまったく興味がない子ではあったがこれはいくらなんでも・・・まあもういいや、なんでも。楽しく地元に馴染んでいるということで。そのかわり中国語はぺらぺらになっていた。。中国のラップから英語のラップ、私のリクエストのマイケルジャクソンまでがんがんに歌いこなしAKB48まで歌えるではないか。。うう。。。どこに行ってしまうんだろう。。この子は。しかし教育という意味では中国の学校もとても興味深い。今回インターナショナルスクールではなく地元(つまり国立、共産国だから!)の学校にいってるわけですがこちらもなんせ3000人の生徒がいて競争もものすごく厳しい。なんせ一人っ子政策で10億人で競いあってるわけだから入試も半端ないらしい。しかも学費は年間6万円・・・・・安いっ。また中国の学校に関しては別の機会にご紹介しましょう。
カラオケの外のネオンもなんだか中国風にめちゃくちゃに装飾されている。そしてまたもや巨大!
レストランも巨大!
これは1件のレストランの中の廊下。。。なにこのショッピングアーケードの中みたいな様子は。。。と驚いていると個室につれていかれまたもやびっくり
結婚式場のような大テーブル。大晦日だったということもありまた親戚一同集まっている中に私達もお邪魔しました。これは食べるところですがこの手前に控え室みたいなところがありソファーやテーブル、テレビはともかくマッサージチェアが2台もおいてあった。。。。とっても高級なレストランで昔は貴族しかこれなかったらしです。なんせレストラン1つがホテルぐらいあるんだから。。。使ってるm法がちがっているような。
元旦の夜はラムのしゃぶしゃぶへ
北京では実は牛肉より羊の肉のほうが好まれているらしい。牛肉が食べられるようになったのは和牛がはいるようになってからでもともとの牛肉はとても硬くて美味しくなかったとか。その代わり羊は新鮮で美味しいということでラム肉のしゃぶしゃぶ、いただきました。
一人に一つづつこの葱やショウガ、なつめなどがはいった薬膳スープがおかれていてごくごく薄くきった新鮮なラムをどろりとしたゴマだれにたっぷりの刻み葱とチャンツアイをいれて食するのですがこれがまた美味しい!本当に食べてばかりでおなかがはちきれそうでしたが臭みもなくからだにもよさそうなこの鍋、体も十分あたたまります。
しかし中国の食事って本当にすごく医食同源とはよく言ったものでいろいろ体によさそうなものを食している。たとえばここで出てきたジュースは梨と氷砂糖となつめを煮込んだものでうす甘いのだけれどこの季節のどにとってもいいそう。また合間にでてきた五穀のおかゆもすこし甘めにたいていて体にやさしく美味。奥さんの林さんと話していても子供達には毎日鵜黒鶏の(黒い栄養がいっぱいの鶏?)を煮込んでスープをとり葱とショウガと塩だけのものをまず飲ませるとか、成長期にはとんこつスープを週に2回飲まなくてはいけないとか、それはいろいろある。写真は新年だったので中国のお餅がでました。これも少し甘くて油で焼いています。
ここで実は久しぶりにアメリカのLIFE誌だかTIME誌だかで中国で2位のベンチャーキャピタリストに選ばれたこともある賢人ドンリャンさんとご飯を一緒にしたのでまたもや家族も含めて14~5人の大テーブル。ドンリャン。今や世界第1位4500億円を運用する投資会社の筆頭パートナー、なんせ4500億をたった7人で運用してるんだから。しかし元もとは僧になりたかったというその静かな語り口と枯れたたたずまいには心を打たれるものがある。なんせファンドから年間数十億の手取りがあろうというベンチャーキャピタリストでもあるのににユニクロ(?)の黒のフリース姿だもの。。。奥さんも二人揃って精華大学出の才媛ですがすごい美人・・・。まったく飾り気も化粧けもないのが美貌が際立つ。
ラムをしゃぶしゃぶしながら世界経済の見通しなどを小耳できいていたが、ヨーロッパほどではまったくないものの今年は中国もちょっと厳しそうか?そしてここのしゃぶしゃぶはたらふく食べて一人1500円でみんなで2万円。日本だったら牛肉ではあるけど一人2万円とかになっちゃうよ、という話をしたらドンリャンも驚いていた。
色々なものが混在・・・
家のすぐ近くにできたファッションビル。とにかく発展途上中だから新旧いろいろなものが同じ平面状に混在している北京。孫さん一家はまさにその多面的な北京をまさに今生きている象徴的な中国人一家なのだと思う。
決して典型的というつもりはないが、北京人と台湾人の夫婦で(これも通常異文化交流で大変らしい)大家族で祖父母は尊敬を集めていてみんな家族思い、大陸的おおらかさでアメリカ人の大学生やらうちの子供のように日本人の子供も預かりとてもオープン、義理人情に厚く大陸的、日本もアメリカも好き、世界をみている、
急速にお金持ちになっているけれどお金の使いかたはあくまでも庶民感覚、中国にももちろん誇りをもっているが現時点での世界での立ち位置も理解している。私にいわせるとアメリカ人と関西人に似ている?コンプレックスもなく活気に満ちている精神的にも子供らしい中国人の子供達をみていると明日の世界の行く末を背負ってがんばってね、と思う。
最後にリッツカールトン
以前もご紹介しましたがタイの王女様が半分もっているためここのリッツカールトンは中国にはまだ珍しく細部までインテリアはもとよりサービスまで「完成」されていて「洗練」されています。このホテルの地下にあるバーはジャッキーチェーンが持っているもので、彼もよくお忍びできていますよ。北京には今香港などからモデルの人達もたくさんきているということでホテルもオシャレな人達も大勢いますね。もともと北京の人達(特に北の民族)は背も高く腰高でプロポーションのよい人達が多いのですが同じ敷地内にあるショッピングモールは今北京一人気ということでブランド品に身を包んだ人達が闊歩しています。
今回はコネくティングルームでリビングもあるという部屋を用意してくれてよかったのです。主人のお誕生日が近かったこともあってスタッフの皆さんでサプライズでミニミニパーティーをしてくれました~なぜかバラに金粉というのが中国らしい。。
今回のお部屋で何がよかったってバスルームの前のスペースが大きな鏡がありクローゼットにヨガマットがありました。これだけ3食3食大食いしているわけですから運動は必須。三元日とも朝7時から誰もいないジムで1時間トレーニング、そのあとここでヨガ。でも2キロ近く体重3日で増えた・・・。でも1週間でもどしました、なんとか。
といわけで頭の整理が追いつかないほど色々な「中国の今」を経験しましたが、ドンリャンたちの会話中に「10年後はどうなっているでしょう?」と聞いてみました。「わからない、もうすでに中国の経済の衰退がはじまってるかもしれない」「え??そんなに早く?」、日本人の企業家曰く「今は中国、アメリカ、日本のGDPの三国合計が世界の70%でその合計はこれからも変わらない、10年後日本のGDPは5%になっているかもしれないけれど」と言われまた愕然・・そうかアメリカと中国。。そして日本。アメリカはやはり依然大国で、割合はどうあれ中国とアメリカで世界のGDPを大部分をたたき出す構図なんだ。未来の日本の立ち位置は真剣に私達が考えなければいけないですね。