アメリカの大学の入学オリエンテーション・・Vol.2 |
なんて熱心なアメリカの大学の父兄。。
前回からの続き。。。
新入生の父兄向けオリエンテーションでは2日間にわたっていろいろなイベントが用意されていたのですが、驚いたのは親たちの熱心さ。。
日本の大学では入学式はあるとおもうけれども家族向けのオリエンテーションとかは今時はあるのだろうか? 自分が大学生だったころを思い出すと入学式・卒業式はともかく大学が親や家族に対して授業の構成や、寮の説明、インターンシップ、海外留学、ヘルスケアについてなどと説明するということはなかったようにおもう。
アメリカの高校でも年に2回はFamily Weekendのようなものがあり随分と楽しませてもらったけれど、まさか大学でもこれほど親や家族向けのイベントがあるとは思っていなかったので驚くとともに、やはりこしてコミュニティーに一員として迎えられるというのはとても嬉しい。
ざっとオリエンテーションのスケジュールをご紹介してみますと。。
8月29日
事前に誰が来るかを登録しているので、名札や予定表などをもらってバッジやシールなどアメニティなどももらう。うちは祖父母も連れていったがGrandpa やGrandmaやSissのバッジも。
11:30~12:30親とファミリーのウェルカムランチ (学長のスピーチ等)
アカデミックコースの説明
14:15~15:15 Making the Transition
健康とウェルネスプログラム等について
15:15-15:45 Ability -related Service
16:00 ~17:30 学長の家でのウェルカムレセプション
17:30~18:30 Session for First Generation Families (出なかった。。。)
17:30~子供達と学内のカフェテリアでディナーまたは外に行くのも自由 (外にいきました=)
8月30日
9:00-10:00 Parent to Parent なんとParents Leadership CouncilというPTAのようなものがありその方達が新入生の親向けにパネルディスカッションとQ&A
10:00-11:00 An introduction to Students Affairs Diversityや国際生徒の面倒をみるスタッフなど学内にいる生徒を助ける様々な分野のスタッフの紹介
11:00-12:00 HMC Resources Open House
ーAccademic Affairrs
ーDining Service
ーFacilities and Maintenance
ーOffice of Career Service
- Office of Community Engagement
- Office of Study Abroad
ー Office of Institutional Diversity
ー Student Account
- Financial Aid and more
12:00-13:30 Lunch and Parent Leadership Council Closing
娘の高校は正直本当に新設校でオペレーションがまったく回っていなくて親としては本当に苦労したし、PTAまで立ち上げる羽目になり
学校の良し悪しは実はオペレーションによるところがとっても大きいと身をもって学んだ。
そういう意味ではきちんとオーガナイズされているオペレーションにはとっても感動した。そしてParents Leadership Council(PLC)ってPTAみたいのが大学にあるなんて!!!
Family Orientationの親の参加率はとても高いし、海外からもみんなほとんど参加して説明会ではばんばんと親が質問するし、学校側もPLCもみんな一体になって学校を支えるという気概に満ちていて、’FAMILY’という意識がとても高い。
アカデミックでは勉強は相当チャレンジングだという説明があった。ただお子さん達はそれをやりきる事ができるし沢山のサポートがあり、我々はそのためにここにいるしここで働くことが大好きです。とまっとうな説明。優秀な学生でも1つや2つの学科が上手くいかないのはよくあること。
そして笑ってしまったのは
‘Below the average ' at HMC is still extraordinary.
どんな酷い成績が送られてくるのだろう、
これだけ脅かされると。
ここまでオフィシャルな学校の説明会で学校があらかじめ親にHMCでの成績が平均以下でもがっかりしないで、と念を押してくるのにはわけがある。
HMCの卒業生でお嬢さんが二年生のお父さんがパネルディスカッションで、かつて自分が入学したとき1000人の高校でずっと一番だったのに大学にきたら下から三分の一になってしまってショックだったけど、大丈夫!というような話をしていた。因みに彼のTシャツにはCal Tech! とプリントされていた。ご存知カルフォルニア工科大のことだが下に小さくDivision Harvey Mudd と書かれているというネタに会場が沸いた。同じカルフォルニアにあってMITよりはやはりCalTechを意識するんでしょうね。。
ウェルネスセンター
そしてアメリカの大学はメンタルケアに非常に熱心、裏を返せばそれだけとても問題が多いということ。こちらの大学でも学内のカウンセラーやその他様々なワークショップや瞑想、ヨガクラスがあるし、専門病院でのカウンセリングが受けられる無料チケットが一人8枚年間もらえるという。
以前スタンフォードでマインドフルネスの授業を教える教授の講演会に伺った際に、あの素晴らしい環境をほこるスタンフォードでも生徒の鬱や自傷行為、悪くすると自殺といった問題は深刻で、無料チケットが年に10枚だかやはりあるのだが、まったく足りないので、瞑想、ヨガといった事を取り入れたマインドフルネスのクラスも人気だという。
構内にウェルネスセンターを設置する大学も多い。厳しい競争をくぐり抜けて大学に入学するも、また今度はその中でさらに激しい競争にさらされ特に高校まで学年一で来ていて、大学でまさかの下から三分の一というような事態に陥った時のサポート体制が絶対的に必要というわけだ。
というわけで、講堂にあつまっての学科、ウェルネスでは細かいところまで熱心に質問する父兄が多数。
SNS のコミュニケーションも盛ん
会員制の父兄向けFBもParents Leadership Council が主導で毎日数回色々な投稿がなされている。
‘I can’t find this online: Does anyone know the average gpa 2018 at HMC and the point differential in 2018 described in the letter sent with transcripts between grading at HMC and other insititutions wiIth grade inflation?’
とか
Did you know HMC has a homework hotline for grades 4-12? It’s free and apparently they get calls from across the nation.
More info here:
とか
もっとカジュアルに学校の近くに美味しいイタリアンある?みたいなものまで様々。
私はつらつらとやり取りを見ているだけだが、
来年のFamily Weekend の日付も誰かの投稿でわかったり、いまならすぐ近くのホテルのディスカウントの予約ができる、とかお役立ち情報から、学校の様子などわかって楽しい。
なんせ子供からはほとんど学校の様子などとうの昔から報告などないのだから。
Empty Nest
子供達が進学でいなくなり家が寂しくなる親の虚無感をよくEmpty Nest と表現されているけれど、子離れ、親離れしつつもサポート体制を作るというのも大学側も父兄サイドもとても熱心というのをまざまざと感じたオリエンテーションでした。