
こんにちは、青井です。羽毛布団の原産地偽装問題が話題になっていましたね。初めにこの記事を見たときの私の感想は「何をいまさら。。。」というのが正直な所です。羽毛布団業界ではみんな知ってた事ではないかと。スイートインスタイルで取り扱いを始めたのもまず羽毛布団がそもそも通常中身の品質が不明なものが流通していると知ったからでした。

スイートインスタイルはベッドリネンを製造販売してる会社ですので羽毛布団もお取り扱いをしています。
そして当然の事ながらうちの商品は全て1点づつ「バンガリー大使の推薦状」と「シリアルナンバー付き原産地証明」がしっかりとついた手摘みのバンガリー産ホワイトマザーグースのダウンのみを使用したとても高品質な本物で日本に輸入された羽毛量に一致するものです

販売を開始したのは2004年位でしょうか。当時大きな社会問題になっていたのが狂牛病の発生で牛肉に対する原産地証明の要求です。その派生的影響で羽毛布団の羽毛の中身に関しても実は百貨店を中心に内部で問題になったのです。
ちょうど私達が伊勢丹新宿店のリビングフロアでイベントなどを開催し始めた頃でその当時リビングフロアの本部長の方からこの話を伺いました。
「羽毛布団の中身はいったん縫製されてしまえばまったく目に見えない状態なので、本当にこれが本物なのか?というのは百貨店の信用問題としてとても重要になっている。実は羽毛布団の中身というのは業界全体として基本的にウソをついて当たり前という風潮があり原産地証明書が出せるメーカーが大手を含めて殆どない。それでたどりついたのが今日本でこの問屋さん一件しかない」ということで紹介されたのた始まりでした。

当時から高品質として名高い羽毛の産地はポーランド、ハンガリー、フランスなどがありますがそういった有名産地をうたっていても中身で本物のところはとても少なく、ましてや原産地証明書というものを付けられる所が1社しかないということに私自身とても驚きました。
どうもそのとき聞いた話をまとめると問題はいくつかあるようでした。
1つ目は商品になってしまえば中身がまったく見えないので消費者はチェックの仕様がないということ。また肉などと違ってたとえ産地が違っていたとしても口からはいるものではないため直接的な健康被害などはないためそこまでの大きな関心事にならなかった。
もう1つは当時原産地証明書が1社しか出せなかったことを考えると、あまりに業界の全体的な問題だったというのこともあったように感じました。もちろん原産地証明書がだせないからといってすべてが偽物だったということではないのですが、今回2年前に勧告をしてそれでも改善されないので発表になったということですが、私が知る限り12年前にもその問題は存在していて業界の人間は皆知っていることだと認識しています。なぜこのタイミングで?というのが不思議といえば不思議なのですがこの10年の間にきちんとしていた会社は証明なども含めて状況が整備され、本当にひどい会社だけがまだ激しくそういった偽装をしているということかもしれませんがよくわかりません。

10年以上前にその問屋の社長さんとお話しをする機会がありましたが、「俺なんかが売り場みにいったらXX百貨店でみたときも表示通りじゃないものが混じってるからね」とおっしゃっていて驚きました。小売店側に悪意があったというわけではなく小売店側も業界の事情を当時知らなかった、という事のようなのです。
さらに問題に踏み込むとそういったことが分かっていながら良心的な問屋さんが表に出てきずらい構造的な話もあるようです。
実際その問屋さんは長年有名な布団メーカーの高級部門の羽毛布団を制作しているいわゆるメーカーの下請けの存在です。業界的に問屋さんというのはあくまでも問屋さん、問屋さんがメーカーを飛び越えて一般消費者の方に売るというのは「問屋」→「メーカー」→「百貨店・一般小売店」→「消費者」という通常の販売ルートから言えば「業界的ルール違反」になるために問屋さんがその名前で商品を作るというのはタブーであるといったようなこともあるようでした。

こういった業界的ルールや儲けをそれぞれの所できちんと落としてゆく仕組みというのは多かれ少なかれどこもあって、そういった中間マージンを省くことでコストカットが起きてきた例はいくらでもあるわけですが、とかく「業界的ルール」が暗黙の了解となっていたりと色々な事情が複合的に重なって羽毛布団の表示問題はでてきたようです。
冒頭にお伝えしたように2004年ぐらいにこういった問題が狂牛病の問題から付随して広がり一部の小売店で対策が講じられて今にいたっています。スイートインスタイルでもそのときにご紹介いただいた問屋さんに今でも羽毛布団を作ってもらっています。大々的にうちでは布団を宣伝しているわけでもないですし、中間マージンもまったくなくダイレクトなので金額もこのクオリティーのものを大手のメーカーで買えばもっとずっと高い値段で販売されています。
寝心地はそれはすばらしく、本当に品質の良い羽毛布団は一回使ってもらうとはっきりと違いがわかります。本当に軽くてあたたかくて体に空気の層をまとっているような極上の快適性があります。また羽毛を包む外側の生地もGIZA45という地域でできる最高級エジプト超長綿でスレッドカウントも480というとてもシルクのような滑らかで極軽の生地を使用しています。カバーをかけるのがもったいないほどの肌触りですが、布団カバーをかけたときも下の羽毛布団生地の色が透けてでるようなこともないホワイトの無地です。
一年中使えるタイプもありまるので買い替えなどの時は是非一度ご検討ください。サンプルで20㎝角くらいの見本をお送りすることもできます!
スイートインスタイル 羽毛布団