G1サミット今年のスターは? |

週末のことを火曜日に書くブログってこれに関してはtwitterに比べて大分鮮度が落ちますが。自分の中のまとめという意味も含めてG1Summitのまとめを。。やはり100人以上の参加者がいるものの毎年今年の注目の人がいる。今年の新たなシャイニングスターはおそらく初日第三部パネルディスカッションのパネリスト「GREEの田中君」。「次代に引継、変革し、新たに創るもの」というタイトルでのパネリストとして登場だったらしい。例の大雪のため初日セッションに参加できなかったのでミスしてしまっていたのだが、二日目以降の他のセッションでも度々彼の名前と発言に言及されていたし、twitterでも話題だった。どうも再生機構で有名な冨山さんとか叔父様達にも相当いじられたようで、絶対きみもうすぐたたかれるよ、などという発言にも会場が沸いたみたい。でも特に彼の発言で会場が大爆笑だったのは「今は、祖父からこう言われている様なものだ。‘良和。実は、借金があるんだ。一生働いて返してほしい。もう一つお願いがある。今老後の心配があるので、老後の費用も払ってくれ。しかも、俺達は偉いから敬えと言われ、挙句の果てに最近元気が無いと言われている’(田中良和)」というのを堀さんがツイートしている。
ほんと参加者が40代アップが多いなか20代の若者の率直な感想でしょう・・確かにこんなこと祖父に言われたらたまったものじゃないですね、笑える。
桜井さんと安倍さんの対談・・・
もう本当に実は先日のパリ以上にこのG1サミット大興奮で面白いセッションばかり、そして色々な意見の方が登壇するなか、自分の意見とはまったく違う意見に遭遇することもある。この桜井さんと安倍元首相の対談・・
実は唖然としてしまった。桜井さんはほんとうにそこにいるだけで淑女ぜんとしたたたずまい、そして30分ほどまず講演したのだけれどその上品なたたずまいと語り口、わかりやすいプレゼンは圧巻、「首相になってくればいいのに」と隣の席の人がつぶやいたほど。が、しかし提案としては「憲法改正、軍備増強」。歴史をひもとき軍事力を持たない国は国としての役割を果たさず発言・外交は意味をなさない・・いま全寮制のインターナショナルスクールを作っている関係で戦争に関する議論もいろいろするけれど「小さい時から違う国の人たちと裸の付き合いで同じ釜の飯をたべて生活すればお互い本当にわかりあえるし絶対戦争なんておきないよね」と全寮制で育った理事のエドワード鈴木がよくいっているが、そちらの普段アプローチを考えている側としてはかなり違和感があった。そして安倍さんとの対談もその方向ですすむ。他に各論ではもちろん共感できるところもあったのだけれど総論では?だった。。あれだけ素敵な方の素晴らしいプレゼンだっただけにその気持ちはかえって増幅する。色々な意見があるのはいいことだけれど組み合わせとしてやはり黒川先生のように移民賛成、女性の起用をもっとどんどん、へんてこりんな才能を認めようっていうリベラルな方にもはいってもらっての対談にしたらもうちょっと色々な議論になりおもしろかったのでは・・と思いました。しかしその後の会場からの声やツイッターでもこのセッションの評判はとてもよかったんですよね。。。。どういうことなんだろう。。
自分の心もよくわかる
しかし色々なパネラーやモデレーターの話を聴いているうちにやっはり、くっきりと自分の考えも浮かびあがってくる。あきらかにこの人はすごい!もっと聞きたい、と思う人がでてくる。私としては以前からのファンだった
政策研究大学院大学教授の黒川先生は科学技術政策-人類の夢とイノベーションのモデレーターをされていて面白かった。相変わらずのべらんめー調でiPS細胞の山中さんとかも前日の乾杯のときとは違いややなぎ倒され気味。その他のパネリストは文科省の副大臣鈴木寛さんと、宇宙航空研究開発機構理事長の立川さん。ハヤブサの帰還やノーベル賞か?という話題の山中さんのお話なのでもうちょっと明るい未来なのかと思えばここでもやはり日本の劣勢は否めないようで、資金的な問題はもとより税制控除の問題など国としてのインフラ整備がビハインドなのは他の分野と同様で、さらにやはりここでは多様性を認めない日本人気質なども問題としてあげられていた。海外からの研究者と交じり合いの中での進歩や変わったこと、黒川先生流にいえば‘へんてこりんな人’を認めるという土壌が必要でしょう、ということだった。確かに出る杭はさっさと海外に流出させていては日本としての未来はないし、そういう意味で誤解を恐れずにいうならば歴史や過去や国のしがらみにとらわれるよりはもっとグローバルで軽やかな人の交流や流通が日本であっても世界であってもあるほうが生きやすいし、成果もでるとおもうのだけれども。
日本の進む道は?
人材が軽やかに動くような全体をグローバルに捉えた発展というのは他のセッションでもHOYAの浜田さんやカカクコムの穐田さんやもおっしゃっていいて私的にはとっても共感できた。が反対に日本と日本人が誇るべき資質は今こそ行き過ぎた資本主義経済のなかでは見直される、世界にモデルを示せるという世界は螺旋的に発展するの田坂さんとかも私はとても好きだけれど、ややもすると螺旋階段を下っているかもしれない日本にとってはすこし耳障りが良すぎるかもしれないとは思った。
「知の巨人」登場
そして今回こんな人もいるのかあ!と驚いたのはイシス編集学校校長の松岡正剛さん。一ツ橋大学名誉教授の野中郁次郎教授とともに「知の巨人」とご紹介されていたけれど日本の文化政策のセッションと最後の講演でのスピーチ本当に面白かった。日本はデュアルスタンダードを持つ国民であえて矛盾は解決せず内包させている。公家社会の「あはれ」のはかなさに美をみながら同時に同じ語源から武家社会になったときには「っ」をいれ「あっぱれ」になったとかね。なるほど・・・。家に帰って松岡さんの編集した「千夜千冊」というものすごいマニアックなブックナビけーションをネット上で書かれているのを拝見。アラビアンナイトだって1001夜なのに最新のナビは記念すべく1400話でおりしもアラビアンナイトについて。。私もゴートンのアラビアンナイトは面白くてよみましたけど全部の他の人の翻訳や編集のアラビアンナイトよんじゃってるんだ・・・。アラビアンナイトのご専門というわけではないので他の本もすべてこの調子なんだろう。。日本文化のみならず貨幣経済、資本主義に関するナビも相当数。。圧巻...こういう役に立つ、立たないとかは二の次に情熱のままにマニアックに好きなことをとことんやるっていうのが本当にクールだと思う。これとは別のセッションでもう一つとても面白いことをおっしゃっていたけれど人間国宝といわれる漆器とか陶芸の作家さんでも技術は良くてもデザインは全然だめだという話題になったときに歌の世界でい椎名林檎や忌野清志郎がそうであったように「ポップアート」が一つのキーワードで村上隆だけには任せて置けないとおっしゃっていましたがほんとその通りだとおもう。「ポップアート」これってほんと日本が世界に今誇れるアートですよね。この切り口はすっごくいいとおもいました。
グローバル化と日本人としてという2極の問題については私は松岡さんがおっしゃっていた「バックミラーで(歴史を)みながら前に進む」っていうのが一番しっくりきました。
リーダーに望むこと
ちなみに野中さん、松岡さん、田坂さんがそれぞれリーダーに望むことは?と聞かれた質問に対するお答え
● リベラルアーツとレトリック能力(政治力)(野中さん)
●朝礼暮改を恐れない、バックミラーでみながら前に進む(松岡さん)
●多重人格(悪を知る、腹決め) (田坂さん)
とおっしゃっていましたね。ほんとクール。というわけで私的今年のG1スターはGREEの田中さん、松岡さん、黒川先生なんでした。
ほんとやたら長いことになってしまいました。
「インテリアやれよ!」という声が聞こえてきますが次回は「メゾンデオブジェ」に誘発されたテーブルですので
お許しください。もう撮影済み!