林屋先生のお茶会に寄せて |
’恐れ入りますか、偶然訪問致しましてビックリ。茶室にて写真を撮るのは無粋なこと。厳粛な空気をこわします故、たとえブログをやっていても心得のある方は我慢をします。まして林屋先生の貴重なお道具をブログに公開するなんてとんでもないこと。失礼にも程があります。私も別の時刻に参加しておりましたが、すべては一期一会。以後お気をつけくださいすますように。’
すぐにコメントバックしようと思ったのですが関係各位にご迷惑がかかるといけないので一応確認をとるあいだ当のブログは非公開にしていたのですが一応確認がとれたので私の意見を載せさせていただきブログに非公開をはずしました。コメントされた方はたまたまこのブログに立ち寄られただけなのでこれをお読みになるとは限らないのですが、とても文化やマナーに関するとても重要な事だとおもうのでこちらに書かせていただきます。
まず第一に写真撮影はお茶会の席で行ったわけではなく合間の休憩時お客様のいないときに許可をいただいて撮影させていただきましたのでその場の他の出席者方のお邪魔にはならなかったとおもいます。第二に今回のブログ掲載を関係者の方にお伺いしたところどんどん載せてください、とお返事いただいたことです。林屋先生はとてもたくさんのお茶会を催されていらっしゃっているそうで、もちろんとてもブログに公開するべきではないようなお茶会も催されていていらっしゃるそうですが、今回のこのお茶会は日本の伝統文化の現状に対して深いお考えがある林屋先生が世界に向けて実験的にお茶とは何ぞやと問いかけていらっしゃる場でそういった場であるからこそお茶の初心者である私のようなものまで参加させていただけるように取り計らっていただいたのだとおもっています。実はこのお茶会小学校3年生の私の娘も参加させていただきました。子供が参加するなんて、と私のお茶の先生からは初め懸念されたのですが当日林屋先生はことのほか喜んでくださりはじめたばかりでできないことがあるのは当たり前、初めから本物をたくさんみつことがとっても大事なんだよ、これからもいらっしゃいとそれは励ましてくださいました。
お茶に限らず日本の伝統文化は本当に世界に誇れる素晴らしいものでしょう。そして長い研鑽を積んだ者だけが初めてその場に参加し一期一会の出会いを楽しむ資格が得られるという今までの風習がここまでお茶の文化を洗練させてきたことも間違いないことだとおもいます。でも
その研鑽を積むべく次の世代は今そだっているでしょうか?秘すれば花の文字通りあえてこんなに素晴らしいんです、などと決して吹聴しない日本文化は奥ゆかしい素敵な伝統だとはおもいますが、お茶がブームになっているなどとはいわれてはいますが現実的にはものすごい勢いでお茶をたしなむ平均年齢は上がっているでしょう。事実このお茶会でも多分参加されていた方の平均年齢はゆうに50歳を超えていたでしょう。日本文化の伝統をしっかり受け継ぎ研鑽を積んだ素晴らしい若い方も数多くいらっしゃるとおもいますがマジョリティーにおいてはほぼ知識も経験も、もしかしたらその存在さえしらない大多数の若い日本人。私は40代ですが30代、20代と年齢が下がるにつけこの傾向はもっと顕著になっていくとおもわれます、このままでは。林屋先生のご憂慮は私などの比ではないと勝手ながらご推察申し上げています。
林屋先生のお茶会はほぼ素人の私がみても素晴らしかったです、感動しました。一期一会、そのとおりですね、これはその場にいた人でなければ感じられないものでしょう。ただ素晴らしければ素晴らしいほど多くの人がそれに触れる機会があるべきだと思っています。なぜならこのまま次の世代の人が存在すらしらない価値を理解できなければその素晴らしい日本文化もお道具もどんどん失われていってしまうから。たとえ写真であってもその素晴らしさの片鱗は伝わるかもしれません。
日本の伝統文化とお茶を広く世に問われるという先生のご趣旨とその場に参加されている方へご迷惑をかけないという事が守られるのであれば、一期一会のお茶会であってもそれを記録し
その場に居合わせることができなかった人にもその素晴らしさを伝えるということはむしろ私が参加させていただいたことに対するささやかな感謝とそしてむしろ義務であると捕らえています。いろいろなご意見もあるとおもいますしそもそもこのブログ自体それほど多くの方によまれているわけではないのでお茶の素晴らしさを伝えるのにそれほど役立っているわけでもないですが、一応そういった心持で書かせていただいています。むしろブログに書いたことが不勉強で間違いがあるのではないかということが気にかかりますが、そのあたりを今回コメントをいただいた方のように経験も豊富で研鑽もつまれた方にご指導していただけたらとおもいます。
自分がとても大事にしているものがまったく価値がわからない人達に無造作に投げ出すように差し出されたらとても嫌な気持ちになると思いますし、もしそのようにこのブログが見えてしまう方がいたら申し訳ないと思うのですが、本当に大切なことはこの伝統ある素晴らしい日本文化を次の世代にきちんと残して育てていくことではないでしょうか。