チベットへの旅 |
不思議なヨガのご縁でチベットへ・・
こんにちは、昨年の11月になってしまうのですが、チベットにヨガと呼吸法の旅をしてきましたのでこちらでご報告を。縁あって望月先生という普段はロンドンに住まわれてヨガの指導をされている先生に昨年お目にかかり、日本に帰国されているときにヨガのクラスに参加させていただいていました。一年に一回生徒さんたちと世界各国に行かれていて今年はチベット・ネパールでした。私は前半のチベットだけ参加。
もしかしてチベットには簡単にはいけない?
はい、当初甘くみていました。でも中国の関係もあり許可書の取得なども色々大変でやはり現地に詳しい旅行会社を通して色々な準備が必要でした。首都ラサの標高は約3700mという高地。寒さは無論、空気がとても薄いので高山病の予防薬の処方もしてもらい、珍しく持ち物も3日ほど前からパッキングをして、モンベルに出向きダウンなども買ってみるという私にしては相当に入念に準備で臨みました。
空港についたら手足が痺れだす
これか・・!広州で一泊してほぼ2日間かけてついたラサの空港に降り立った途端に手足が痺れだし、ツアーの人達の中には足が重くて早く歩けない!という人もいて、添乗員さんも‘ゆっくり、ゆっくり動いてください!空気普段の2/3ですからちょっと動いただけでも心臓がバクバクしますから深呼吸しながら’といわれていました。ラサでの2^3日寝込んでしまう方もいらっしゃいましたし、半数ぐらいの方が頭痛や気持ち悪さ、特に呼吸の浅くなる寝てる時に起きてしまったりしたようでしたが、何故か私はほとんどなんともなく体内酸素量や心拍数も平地にいるのとほぼ変わらずという感じでびっくり。これは年齢も関係なく体質によるものみたいです。
仏教徒の巡礼の聖地、ラサ
少し前に半ドキュメンタリー映画「ラサへの道」という映画がありました。チベットの田舎のおじいちゃんが一生のうち1度でいいからラサに巡礼に行きたいという願をかなえるために家族総出で五体投地という体を地面に投げ出しまた立ち上がるというお祈り法をしながら何十キロの道のりをラサまで巡礼するという映画でした
チベットの寺院では本当に巡礼者や地元の人が大勢五体投地でお祈りしてる!それも毎日100回以上お祈りされているお年寄りがいたり、松葉杖をついたり、手をとってもらいながらゆっくりゆっくり巡礼している地方の人とおぼしきお年寄りも大勢います。一族郎党で来ているような人達もたくさんいて色鮮やかな民族衣装を身にまとった子供連れの人達もたくさんいます。
チベット仏教総本山ジョカン寺
なんとブッダのお父さんが自ら造ったとされる12歳のブッダ像が奉られるジョカン寺。ブッダ本人も手にしたと伝えられる世界唯一の仏像で全世界仏教徒の聖地、チベット仏教の総本山だそうです。中国政府に抗議して火達磨になったチベット僧の事件もここで起こったということで、荷物チェック、パスポートチェック、時には予約しての名前と身分証明書の照合と公安警察も目を光らせて銃をもって立っているという物々しい雰囲気です。
ただ広場の中に入ってしまえば、広場から寺院を巡る道を大勢の人が時計回りに巡礼をしていてその道沿いにたくさんのお土産屋さんが立ち並んでいるといういわゆる観光地的な風情もあります。みなさん大体手には「マニ車」という昔の日本のおもちゃの「デンデン太鼓」のようなものをくるくると回しながら進みます。一回転マニ車を回すと1回お経を読んだ功徳があるとか。。。人々が願うのは自分の事ではないそうです。ただひたすら生きとし生けるものの幸せと世界の平和だそうです。そして人々はこの輪廻転生の輪から抜け出して解脱するために必死です。それほどチベットの自然や現状が厳しいということでもありそれを聞くとまた胸が痛くなります
実ははじめに予定したいた日が大きな会議の前のためだったのかジョカン寺に入れませんでした。しかし旅行者の方が次に日の夕方の閉館後になんとか入れてもらえる手配をしてくれて、一般入場者がまったくいないなか入らせてもらうことができました。巡礼者の方はいるのですが、それでもいつもはぎっしり人がいるという入口広場も私たちだけ。今回こういった事がとっても多かったのです。
ポタラ宮殿は999部屋?
1959年にダライ・ラマ14世はインドに亡命されて以来当主を失ったポタラ宮殿と夏の宮殿であるノルブリンカ。ノルブリンカの時計はダライラマ14世がチベットを脱出された12時で止まったままだという説明が。中国との関係が緊迫し、多くの国民が安否を気遣う中、逃げる時間を稼ぐために多くの人達が盾となり命を落としたという話もあった。無事脱出されて兎に角ほっとしたそう。 ご存知の通りダライ・ラマは転生による継承を行うので4歳の時に転生を認定されて14世となり、その後徹底したダライ・ラマとしての教育を受け、なんと19歳で、政治、軍事、宗教すべてに最高権力者として君主の座につかれたという。政治と宗教両方の中心であったポタラ宮は今は私達のような観光客やチベット仏教の総本山として信者の方もたくさん訪れます。ダライ・ラマ14世がいらしたらどうだったんだろう。複雑な気持ちになりますね。そしてここには歴代のダライ・ラマの霊塔もあり、その偉業によって大きさが露骨に違います!ダライ・ラマ政権の祖である5世の霊塔が飛びぬけて大きく今でもそのご威光が燦然と輝きます!かと思うと6世は今の歌謡曲の中にもその詩がでてくるほど詩人としては人気があるかたなのですが、恋愛の興じて外に愛人もいたとかで廃位されてしまい霊塔もなかったよう。。
とにかく広大な宮殿で空気が薄いなかなるべく息をみださないようにゆっくりゆっくり上まで上がっていくのだけれど、部屋の数は999あるとかで、ダライ・ラマ14世もその数はわからないとおっしゃっていたそう。ポタラ宮からの眺めはそれは美しく、空にはポタラ宮殿の下に流れる河に住むという龍の姿のような雲がみえてとても神秘的な場所でもありました
ヤムドク湖の瞑想は一生の宝物
今回はカンパラ峠4700m越えをしてターコイズブルーのヤムドク湖3200mでの瞑想を行いました。今回の旅ではホテルでも朝6時からと夕食前の1時間プラーナヨガと瞑想を1時間して、その間は観光にでかけました。そして行く先々でまた寺院の広間やこうした湖で瞑想をしました。ユニクロのダウンなんてとんでもない!とモンベルで脅かされ、山用の重装備ででかけましたが、それでもやはり高度があるし風が冷たくてとても寒いのですが、この湖では陽ざしがあたたかく覚悟していったわりには上着が脱げるほど。
瞑想の前には私たちより1時間早くきてくれた現地のスタッフの方がテントを立ててくれてランチを作ってくれました。ネパール料理は実はとっても食べやすく日本人にもなじみがいい味なのですが、ここで食べたネパール料理がこの旅行一番のごちそうでした。
日本に帰ってきて瞑想するときに時々この風景を心の金庫から取り出して眺めることがあるのですが、不思議な事に瞑想時にはとてもありありと湖の色やその時の水辺の石の形や一緒に座っていたみんなの事がとてもリアルに思い出されるのです。そしてなぜかそれを思い出しているとただただ涙がでてきてしまうという本当に美しい場所でした。空気が薄くて太陽が近く、光がまっすぐ刺すように届くこの場所は人々の祈りに満ちた聖地です。やはり理屈ではない特別な地なのだとおもいました。
半年前に申し込んだときには本当にいけるのか予定がわからなかったのですが、いざその地に降り立ってみると今回こうしていくことができて本当によかったと改めておもいました。実は広州で乗り継ぎのため行きも帰りも1泊しています。10月にいったマイアミよりずっと近いはずなのに時間はもっとずっとかかりました。そして入国許可書をはじめ、観光場所1つとってもとても個人で気軽に行ける場所でもなく、またもう一度いける機会があるかどうか。。。
聖地巡礼・・・・3000m超の高山で、政治的にとても複雑な背景があり、個人でいくには難しい場所に縁あってヨガを通じて知り合った人達とともにこの経験ができた事を今更ながらとても不思議で有難かったなあ・・と今更ながらにしみじみおもっています