スティーブジョブスも愛した「あるヨギの自叙伝」と「奇跡の脳」 |
こんにちは、台風すごかったですね。私はヨガのトレーニングコースがあり三連休は大阪にいっていたので大変でした。JRの在来線は止まってしまうし帰りの新幹線も桂川や富士川など警戒水域に一時達していたので再開後も確認でのろのろ運転になってしまって。。京都の被害も心配ですね。でも今日はうって変わって東京も澄みきった美しい日でした。
さてこちらの写真はパラマンサ・ヨガナンダ師の本「あるヨギの自叙伝」です。スティーブンジョブス氏が自分のiPad2に唯一ダウンロードしていた本としても有名です。10代のときに読んで霊性に対する影響を受けインドを旅したりその後1年に1回は読み返していたとか・・禅の影響も強いとされるジョブス氏ですけれどあの素晴らしいクリエイティビティーと独創性はインド思想の影響も多いにあるようです。
ロスにあるSRFを訪問
この本の著者ヨガナンダ師の事をどのように書いていいかとても迷いますが簡単にご紹介します。1893年1月5日にインドで生まれ幼い時から自らの意思でスワミ・スリ・ユクテスワル師の元で修行して、その自らの使命を果たすべく導かれるように米国にわたりヨガの真髄を西洋的科学な見地を東洋的な精神的世界を合わせて人々に説いた聖者です。
1952年に他界しますがインド大使の晩餐会での演説のあと意識的に肉体を離れるマハー・サマディに入り、この世を去ります。師の遺体は、聖ベルナデッタなど多くのカトリックの聖者たちと同様に、死後20日を過ぎても腐敗の兆候がなかったということをアメリカで正式に報告されているそうです。
この本はスピリチュアルな不思議な世界は何か人と世界の神聖な意味についての考えさせられる本であると同時に、聖者自身が書いたという世界でも稀な貴重な本でもあります。スピリチュアル系に興味がある人だけではなく単純に読み物としてもと相当面白いので普通に読むとしてもお勧めです。アマゾンのコメント欄にドラゴンボールさながらの物語とかいていた方がいましたが、確かにドラゴンボール以上に無邪気でおおらかなヨガナンダ師の愛と冒険物語ともいえます。後半では国内外の聖者と呼ばれる人を次々と訪ね貴重は写真やエピソードを精力的に紹介しています。ガンジーをたずねて親交を温めたエピソードも感動的です。私は一気に読んでしまいたい気持ちをおさえ、夜寝る前の楽しみにすこしづつ読み進めました。
瞑想の科学的技法を広める
私も瞑想をここ2年ほどやるようになったのでその一貫でこちらの本も読んだのですがヨガナンダ師がアメリカで行ったのは「明確な科学的方法による瞑想方法」です。瞑想は別に宗教ではないのですがこういった東洋的な知識をアメリカで広めるには科学的アプローチは必須。それはまた西洋的な価値観で教育を受けてきて特に宗教的バックグラウンドもない、けれども東洋的なアプローチにも興味があるという現代に生きる私にもちょうどぴんとくるアプローチでした。
そしてヨガナンダ師がロスに設立したのがSRFという協会でSRFの目的は各人が神(世界意識)を直接経験するための明確な科学的技法を世界中の人に広める、というものですが、せっかく先日ロスにいったのでSRFを訪問してみました。
写真のように本当に静かでお手入れの行き届いた僧院のたたずまいでした。
瞑想室もありました
なんの事前の連絡とかしないでふらっといってみたのですが瞑想のお部屋とかがあり各人自由に瞑想できるようになっていました。平日の午後ですいていましたがそれでも10名ほどがめいめい椅子に座って瞑想していました。
米国の脳科学者が脳卒中から奇跡の生還
そしてもう一つ同時にご紹介しておきたいのがこちらの「奇跡の脳」というアメリカの脳科学者の著作です。ハーバードで最先端の脳科学を研究していた著者があろうことか30代で脳卒中になり左脳の機能の大部分を失います。脳科学者自身が内側からその実態を克明に記録して失われた左脳の機能を回復させるまでの8年間の記録ですが、こんな完璧な設定誰が仕組んだんだ・・というほどの奇跡的な本です。ポジティブでエネルギー溢れるアメリカ人、脳科学者、左脳の脳卒中、献身的なママ・・・
左脳と右脳の機能と人格がまったく別だという話はすでに有名で論理的思考や言語をつかさどる左脳と直感や五感で感じ取る右脳の役割はよく耳にします。それを実際に脳卒中で左脳の機能がまったくなくなってしまったとき現れる右脳的思考と人格を脳科学者で患者である本人が語るわけですが、左脳の機能が停止したときに感じるのは自分と世界との境界線がなくなり自分は世界の一部で流体であるという感覚。そして完全なる調和と平穏な世界だったといいます。
これは瞑想状態を表現するときに使われるのと本当によく似た表現です。瞑想とは心の動きを滅死させることと言われています。それはつまり絶え間なくささやかれる心のおしゃべりを一時的に止めることです。そうすることによって自分は全ての一部でそして全体というようなつながっている感覚や深層意識などに届く深い集中が訪れ本来の自分にリセットされ五感や直感なども鋭くなってくるとされています。
呼吸方法や練習によって瞑想状態になるわけですが、それはおそらく左脳の動きを一時的に緩める(もしくは止めて)右脳で世界を捉えているのだといえるとおもいます。また瞑想をつづけていると大脳皮質が厚くなっていくことも知られていてそれによって他者への共感も強くなるともいわれているそうです。
奇跡の脳のジルはもちろん脳卒中から回復したいと願うわけですが、同時にこの完璧な平和な心の状態から抜け出すのを躊躇します。そこで彼女が選んだのは意識的に選択して左脳の回路をつなげなおすということでした。つまりネガティブな緊張を強いていた脳卒中まえの回路はつなぎなおさないという選択をするわけです。
TEDのスピーチ歴代NO2!
もちろん本もお勧めなわけですがTEDのスピーカーとしてもジルは登壇しています。そしてなんと歴代No2の人気のスピーチだとか。日本語の字幕もついていてとても素敵なスピーチですので是非みなさんもチェックしてみてください!本物の脳を皆さんに見せて度肝を抜いていましたよ!
TED ジルのスピーチはこちら
結局ここでも西洋的な最先端科学の結論も東洋的な思想もアプローチこそ違え結論はみな同じらしいというのが私の最近の結論ですが、これもそのとても面白い一例だとおもいます。