3・11後不動産事情 東京vs関西 |
こんにちは、青井です。昨日の東京も台風が凄かったですね。夕方5時ぐらいには表参道に上陸していました。傘も飛ばされ友人も転んでしまったということでしたが皆様大丈夫でしたか?今年は水害がすさまじく、無事のありがたさが身にしみますね。 8月中旬より子供が神戸の中学に上がったので神戸と東京と半々な生活をしています。コンピュターや家具の設置などがぴしっとしないので落ち着かないせいでほとんど神戸も歩いていいないのですが噂通りヒューマンスケールの住みやすい素敵な街です。
インテリアはもちろんですが私は家やマンションなど建築そのものも好きです。好きのみならず不動産の管理会社もやっている関係不動産事情には必然的に敏感ですが、本当に3・11の後の東京は外国人が一斉に出ていってしまったために外国人賃貸物件はもう本当にとっても厳しい状態で、軒並みマーケットがガタガタになってしまっています。特にエキスパートという会社が家賃を負担しているエクゼクティブの外人の多くが帰国、または香港、シンガポールに移っていったため高級賃貸物件の値下がりが30%から40%近く下落しているのではないでしょうか。噂では400平米を超える400万円の家賃(月額)が150万でも決まらないとか、不動産手数料を無料にするのはもちろんのこと新築、プール付、学校へのスクールバスも付けて以前の家賃の70%、もしくは借りての言い値でやっと決まるなど、それは大変な事になっています。こういう100万以上するような外国人向けの家賃はもともと普通では考えられないような高額なわけですが、ガラガラの夜の六本木や空室が目立つ外国人向け賃貸物件、ガラガラの道路に静かが東京の街に景気の悪さをしみじみ感じます。
神戸の不動産事情は?
初めての旅行先でも不動産屋さんに案内してもらっていくつか建物をみるとその街で暮らす人たちの生活や価値観などが見えきて面白いので前は冷かしでそんなことをしましたが、やはり「家」というのは住む人の価値観が全部みえますよね。この夏1日で10件くらいのマンションを神戸でみましたが、とっても興味ぶかかったです。地震の影響と節電のせいで関西にあらたに拠点やデーターセンターの移設などする企業の影響もあり関西も不動産は活況ということで、神戸や大阪など主要な駅の周辺の物件を中心にかなり動きはあったということです。
神戸周辺はやはり海と山がある港街が最大の特徴だとおもいますが、私自身のそれは単なる雑誌などのイメージでまったく土地勘もなく実際に街をよくよく歩いてみたのはこれが初めてでした。色々見た中でやはり初めからとても楽しみにしていたのが安藤忠夫さん設計のパラマウント六甲というマンションです。
こちらはもう築10年になるということで同じ安藤さんの設計のマンションがもう一つ隣にもあるのですがこちらはさらに古いようですが、同じオーナーの方ということでオーナーの方の強いこだわりが感じられますね。駅からは10分位坂をあがってくる感じでしょうか、神戸は駅から少し距離のある山の手にある住宅地が昔からいい住宅地だったそうで、利便性が一番という東京の価値観ともすこし違いますよね。日本にビバリーヒルズという形容もまったく大げさではない芦屋の六麓荘もほんと駅からは15分以上ある坂道に最低でも1000坪からという白亜の宮殿の大豪邸やらが立ち並んでいましたから。あの半端ではない大豪邸っぷりは関西の方たちの豪快さとおおらかさに感心してしまいました。洋服や色彩感覚にもあきらかに東京とは違うしある意味外国以上に違いを感じます。面白いですね。
とにかく坂をうまくいかしてたっているのでスロープや階段が特徴的です。。それぞれの部屋もちょっと複雑に配置されていて面白いです。そして外とのつながりが常に外階段でつながっているような構造になっていて、ある種の開放感もあります。上から見下ろすと記憶に違いがなければ5階くらいから一直線にまっすぐな階段が見えています。
ちょっとわかりにくいですがこんな感じ。しかしこれは相当引越し屋さん泣かせのマンションであることは間違いないですね(笑)。実際そうおしゃっていました、ちょうど引越し菜中のこちらの引越し屋さんが。
階段を登ると目線にプールのエッジと風景が重なる・・・
アジアのリゾートホテルのプールでも時々みかけますが目線にプールのエッジと風景が溶けるように一直線に見える屋上階にあるプール。この規模の大きさのマンションでプールを作るのは賃貸としては効率を考えればあまりよくないのでしょうけれどこだわりですよね。
平日昼間のせいもあり簡単なジムにもプールにも誰もいなかったのですが、週末とかには気持ちよさそうですね。
エントランスはシンプル
エントランスはごくシンプルにやはりコンクリートの打ちっぱなしのままこちらのソファーと絵がかざられているくらい。これは関西の方の趣味というわけではないとおもうのですが(イメージとしてはもうちょっとインパクトのある派手なものがお好き?)しかし、エントランスに関しては私は東京のマンションも大抵は「やりすぎ」というイメージがありこれくらいが好きです。(このソファーの背もたれのピンクはいただけないけれ)だいたい大手ディベロッパーが建てるマンションは公用部分にまずお金をかける、特にエントランスは本当に’じゃじゃ~~ん’と創りますね。それはもちろんマンションの顔なのでいいのですが、問題はそちらに予算をかける分例えばエレベーターに乗って降りて廊下部分や個人区分のエリアにはいっていくほどだんだん予算を削っていっているということ。逆だろう、といつもそういうマンションに入るたびに私は思ってしまうのですが
豪華というのと上質というのは同義ではないのだけれどそのあたりがなかなかマンションなどには行き届きにくいというのはすごく感じます。一生物のお買い物だけに、そのあたりは日本人の見えるところにお金をかける気質が反映するんでしょうね。
部屋の中は実はいたって普通なのであえてご紹介しませんでしたけれどお部屋からの眺めは高台だけに
向こう側に海が見えてとっても気持ちよい雰囲気でした。昨日暴風の中建築家のエドワードさんたちとお寿司を食べていたのですが、街の話になりました。いま東北を中心に街の復興計画が進んでいますが、何人かの建築家が海から遠い高台には行きたくない漁師さんたちのことも考えた都市計画などもだしているそうですが、とても面白かったのは堤防を15mにするなどというあくまでも自然と対抗するという今までの延長線上のプランではなくいまの幹線道路もいかしつつ卵形の立体の高台の街を海辺近くにつくるというのを提案しているというのをききました。津波を防ぐのではなく逃がす構造だそうで、このプラン自体の善し悪しはともかく、お役所の人がこの場所は商業地帯、ここは工業地帯、ここは住宅地などとセンスなく計画するのではなくもっと住み手と景観と生活のことを真剣に間がている建築家の人たちにコンペなどをしたらいいのに・・と思いました。もっとヒューマンスケールで色々なものが溶け合った住みやすい街をいまこそ創るチャンスでもあるわけですから。
話がそれましたが、住み手は両親なので結局こちらではなく芦屋にある古くて小ぶりだけれどもとっても居心地のよいマンションにしたのですが芦屋は芦屋でまたものすごい独特の文化がありまたもやびっくり仰天しています。
本当に街や家にはそこ住む人の価値観が凝縮していてそれが面白いだとおもいます。
次回は芦屋レポートと元町レポートを予定しています。新旧の手作りがひしめく元町にも日本の新たな姿のモデルをみました。お楽しみに!(やっと落ち着いたのでもうっちょっと真面目にブログもアップします~)