「日本の暮らしと眠り」by Nippon Brand Meister |
メイド・インジャパン・プロジェクトがミッドタウンで主催するニッポンブランドマイスターの一日公開講座「日本の暮らしと眠り」に昨日おこなわれたので参加してきました。たまたまスピーカーが伊勢丹などでもご一緒させていただいた和の眠りにこだわるアルジャブルを主催する荒井さん。場所はミッドタウン内ガエリアのインテリアショップ「THE COVER NIPPON」。日本各地の和のインテリアをモダンなセレクトしたショップで私もたまにお邪魔します。あまり購入したことはないんだけれど。
本当はものすごい繊細な頑固親父風荒井さん
アルジャブルは自由が丘にお店があるのですが完全予約制で一人ひとりにお布団からカバーまでカスタムメイドしていて荒井さんはメイドインジャパンにこだわった職人気質の「頑固親父」風な風貌。ほんと「寝具」と「眠具」は違うということでうちは日本人のための「眠具」を日本人の体型・文化・DNA(?)まで考慮してつくっているというこだわりの人。日本各地の職人さんともつながりが深いので私も色々教えてもらっています。
荒井節で私も前から伺っていることのほかにも色々面白いお話を伺えました。ちょっとまとめると。。。
農耕民族日本人と狩猟民族西洋人では全てが違う
農耕作業をするために元々前かがみの日本人と狩猟民族で仙骨がたった反り型の西洋人、その体型から農耕民族は切るときには引く、狩猟民族はナイフは押すと道具もすべて違う。農耕民族は夜は基本的に安全なので完全に横になって眠るが狩猟民族はいつ襲われてもいいように寄りかかって眠るため今でもピローをたくさんおいて少しそれ寄りかかるようにセッティングされているのはその時の名残だとか。また日本人は部屋の隅に布団でもベッドでも寄せておくけれどそれは押入れが大正時代にできるまで基本的に万年床だったため部屋を昼間広く使うためで、狩猟民族は一番広い部屋を寝室にしてベッドは真ん中におく。なぜなら3方からの距離を均等にして夜中に狙われやすい場所を作らないためなんですって。面白いですね。これは一番最初に荒井さんにお会いしたときに私も教わりました。まあ日本人も武家ではいつ寝首をとられるかわからにという状況で武道に励んでいた時代はなんと曲者(!)に襲われたら即座に跳ね起き足の親指で布団を瞬時に真二つに折りたたみ刀をとり応戦するという鍛錬を積んでいたそうです。これは以前お茶の先生にうかがいました。丹田を鍛えるという話からで私もちょっとやってみたいです、この技。
日本人は肌文化 西洋人は足文化?
日本人は肌で人間関係からすべての気配を察する社会。その肌は薄く柔らかく油分がありセンサー的役目を果たしているためデリケートだけど回復は早い。反面西洋人の肌は最後に自分を守るよろいの役割なので硬く、乾いていて、傷つきにくいけれど一度傷つくと回復が遅い。なので求められるタオルも違う。西洋人は油をなるべく取らないため毛足の長いパイルで押すように水分をとるけれど日本人は油分は気にせずごしごしと薄い布(手ぬぐい)でこする文化なのでタオルも西洋の毛足の長いものは日本人にはつかいにくいということでせいぜい温泉のタオルぐらいの平織りのものがいい。面白いですね、これも。私個人的にはちょっと異論もあり毛足の長いふかふかの柔らかい、でも何度お洗濯してもしっかりしたアメリカとかのタオルが好きだけれど。
眠りに大切な寝具の条件
まあこれはほんといろいろありますので面白かったものをいくつかピックアップ。
保温
寝具(眠具)は大きく敷具、掛具、ピローに分かれますが実は保温の6割は敷具できまるということ。羽毛布団は生ものなので呼吸していてで寒いときは自然と羽が膨らみ空気をなるべくまとえるようにかさがでて、暑いときは自然とかさが減る。そしていい羽毛(フェザー)は寒い地域にすんでいて少ない量でかさがたくさんでます。よって寒いときは羽毛布団がなるべく肌に近いようにかけるのが正解で間に毛布を挟むのは保温性が減ってしまいます。では寒いときにはどうするか?羽毛布団の上に毛布をかけるというのを聞いたことがある方もいるとおもいますが敷布団に毛布を引くのが保温6割っていうことから言うと正解だそうです。実はこれしらなかった、私。そしてタオルケットがあったらそれを羽毛布団の脚もとに。羽毛布団の上に毛布などの重しをおいてしまうと自然にかさが増える呼吸を妨げてしまうので上には毛布はかけてはいけないそうです。しかし今東京でうちでだしてる羽毛布団の中掛だったら毛布なんてまったく必要ないですね。寒くないですものね、最近の東京は。
シーツの「なでなで効果」で安眠へ!
眠りへのいざないとして赤ちゃんや動物は撫でられるとうとうとするけれど同じようなことが大人にも言えるらしい。残念ながら大人は赤ちゃんのようになでなでしていちいち寝かせてもらえないので、ここで大事なのはシーツということになる!!。毛布を羽毛布団にはさまないっていう理由の一つには結局肌に触れる部分は肌触りにいいものに限るというのがあるんですね。敷シーツとデュベカバー(布団カバー)の間に滑り込むことでこの赤ちゃんの「なでなで効果」と同じ効果が得られるそう。そうなんです、私はSISの商品のデュベカバーとシーツにタイでであったときにまさにこのあまりの効果に衝撃を受けたんです。うちのシーツに(限らず肌触りのいいシーツに)体をサンドイッチされて眠るとほんと心地よくねむれるんですよ。なので間に毛布とか挟まないでくださいね。皆様。ここポイント、試験にでます(笑)
人生の3分の1は睡眠
人生の3分の1は睡眠だから大事という人に俺は3分の2はおきてるんだから3分の1くらいいいんじゃないの?ってよく言うんですけど。。。と冗談を荒井さんはおっしゃってたけどどうして上質な眠りが大事かというとおきてる8時間(働いている時間)を精一杯頑張れるためにそれが必要なんだっておっしゃっていましたね。ほんとその通り!
睡眠研究家の鍛冶さんのお話
確か一回荒井組の飲み会(!)でお会いしたことがある睡眠の研究をされている鍛冶さんの睡眠の科学的お話。これもお話がすごく濃いので面白かったところいくつか。
体温が下がりばなに入眠
一日のうち一番体温が高いのは実は夕方から夜にかけてだそう。そしてそれが下がりだすと眠くなり入眠して
どんどん体温は下がり明け方4時近くに一番低くなるそう。体温が高いという事は運動にもっとも適しているということで実はオリンピックなどでも夕方のレースとかで記録がでることが多いそう。なので体温を下げるためにはまずあげることが必要であげれば必ず下がる、すると眠くなるというリズムがうまれてくるそう。なのでぬるめのお風呂で体温をあげるのも眠る前には効果的、ただし熱すぎるお風呂は体温が下がりだすのに時間がかかるので逆効果になるというのはよく言われていますね。
発汗は大事なメカニズム
上に関連して体温を下げるのによって発汗というのは大切なプロセス。寝ている間にコップ1パイの汗をかくというのは有名な話ですがこれは汗をかいているから体温がさがるっていうことにもなるわけですね。なるほど。。
睡眠のスイッチは急にははいらない
活動しているときは交感神経がOnになっていてストレスなどで副交感神経への切り替えがなかなかスムーズにいかなと不眠や肩こりなどの自立神経失調症的症状がいろいろでてくるけれど、この副交感神経をOnにするのにはみなさんいろんな「眠りの儀式」をもっているみたい。お風呂とかもそうですし、本を読むとかお気に入りのタオルケットを触るとか。。私はストレッチというかヨガがとってもこの副交感神経ONには最近とってもいいとおもっています。呼吸とストレッチが多分密接に結びついてあのものすごいからだが緩む感じがあるのですが、まだ初心者ながらこれはほんとよい感じ。。またヨガのお話はいつか別にしたいとおもっていますが。。
しかし「眠る」ってこうして書くと一大イベント。あまり大げさに考えると大変ですよね。でも基本的な寝具を初めにしっかり押さえておけば後は毎日簡単。ただ「寝るだけ」ですから(笑)
あと店内の商品をいくつか紹介・・
アルジャブルの和のベッドルームしつらえ
そうそう、こういうコーナーがいくつも店内にあります。
一番私が今回気になった着物の反物
こちらは久留米絣。一反が5万円くらい。柄と色合いがとっても素敵だなあとおもってみていたら、参加者の一人の方が横から「あら、なんでこれこんなに安いの?普通10万くらいしますよね。」とおっしゃってた。ショップの方によれば産地から直送してもらってるのとインテリアにもつかえるように手頃な値段のものをセレクトされてるそう。
こちらは伊勢木綿。一反18000円くらい。同じ方がこれで着物つくってもいいわよね・。とおっしゃっていたけどこれでつくってもいいんだ。。それってすごく安くできるってことですよね。。いいんだ。柄としてはこちらも私は面白くて好きだった。もうちょっとよくみてみたかったけれど。色あわせとかやっぱり和もほんとうに素敵です。インテリアには私的には使う余地はないけれど。。。
というわけでものすごく長くなってしまいました。お読みいただきどうもありがとうございました。